■閑話休題■ 【それ】はどこから来たのか?

2009/05


■第二夜■でつま先やカカトに荷重を移動したり、加重したり抜重したり・・・・というのを考えていて、「ああ・・・・こりゃスノボと同じだなぁ」と思いつきました。

スノーボードをやる人がいるかどうか分かりませんが、ボードに乗って旋回中は板をたわませ、【体を倒した側のエッジ】で雪面をトレースし、旋回します。【荷重】=『ボーダーの体重と重力加速度、遠心力』が集中するのは【そこ】です。

旋回を始めるにはボードエッジの垂線上より内側に体重移動(=重心移動)しないとターンがはじまりません。
私はグーフィー・スタンスなんで、右に行きたいならカカト、左ならつま先です。曲がりたい方と逆側のエッジに乗ってターンするなんてことは、太陽が西から登ってもあり得ませんよね。

これはレギュラー・スタンス
当たり前ながらスノボで滑っているゲレンデは斜面なんで、遠心力に重力加速度が加わった【慣性力】はバイクの比じゃなく、バイクよりずっと速度は遅く、緩いターンでも身体に感じる“旋回G”は快感です。
ボードに乗せて前後に並んだ足を「タイヤ」と見れば、なんとなくバイク的でもあります(w

そんな「バイクより気軽にフルバンク気分を味わえる」スノーボードでターンしている最中、【外足荷重=外側のエッジに乗る】なんてバカな真似をしたら・・・・・。やったことある人には分かりますよね(笑
はい、バイクより気軽に「ハイサイド気分」が味わえます(私も何度喰らったことやら・・・・)

ターン中、板のフロントに荷重を多くかければテールを流すことなく旋回円が小さくなり、リアエッジに荷重を多くかければ旋回円が大きくなって加速します。そして、【体身の重心位置】は板中心の垂線上より内側になければ【慣性力(=遠心力+重力加速度)】に負けて谷側に起きてしまいますし、内側過ぎれば板が流れて雪面=インエッジに【荷重】を乗せきれません。ボードが横方向に滑ったら身体を起こしてヒザ下を立て、【重心】を移動してリカバーする・・・・・。
要は、「旋回速度と遠心力(慣性力)、向心力をバランスさせることが大事」ってトコロはバイクとまるで同じですね。

ついでに、スキーで言われる『ターン中は外足荷重が基本』は文字通り外足(スキーでは「ガイソク」ですが)のスキー板に乗ってしまうことですが、ではターンの開始時にはどうしているかというと、当然曲がりたい方向へ【重心】を移動するしかありません。
初心者が「ハの字」で滑る時にはターンのはじめに外足に荷重をかけると習いますが、この場合もヒザをイン側に落とし、「外足スキーのイン側エッジ」に【荷重】を乗せて板をたわませ・・・・・。結局は『イン側へ重心を移動』できていなければ、やっぱり曲がっていかないのです。
初〜中級者が陥りがちな「悪癖」に、ターン初期のキッカケとして「外足を横に蹴り出す」ようにしてしまうことがよくありますが(私もそうでした)、こうすると板が無駄に外に流れてスピードが落ち、ターンの効率はよくありません。これでもとりあえず「板の向き」は変わるので『スキーをコントロールしている気』にはなれるんですけど、【位置エネルギー】を横方向に浪費してしまうので、ターンする度にドンドン速度が落ちていきますね。
航空機の場合、ロールをうって機体にバンク角をつけても、旋回力と揚力の釣り合いが取れないと機が横滑りして高度が下がります。高度が下がる=【位置エネルギー】を失うってことですね。また、翼に仰角がつけば抵抗が増えて速度が落ちます。戦闘機がフルスロットルで格闘戦を長く(といっても数分)していると、激しいマニューバをする内に高度を失い、最終的には低空でヘロヘロになることも空戦記を読んだりするとよく出てきますね。

正真正銘、文字通りの『外足荷重』
とんでもなくスキーの上手い人(↑画像)は、ターン中外足だけでなく内足にかかる【荷重】も積極的にコントロールし、加減速をしたり、旋回力を加減したりしますが、基本は『外板のインエッジ』に乗って旋回するもんですよね。

ボードでもスキーの外足でも板のテールを振り出すか、曲がりたいほうのフロントエッジイン側に【荷重】をかけてエッジに乗り、【重心】をイン側に移動して板をたわませなければターンははじまらないよなぁ・・・・・とここまで考え、ひょっとしたらバイクの【外足荷重】はスキーからそのままパクったのかもしれないと思ったり・・・・・って、思いつきでテキトーに言ってるだけです(笑

板が横に並んでる四輪的なスキーと、タイヤが縦に並んでるバイクはまるで違う「乗り物」なんですが、【荷重(加重)】で旋回をコントロールするあたりの関係は似てますな。
素早くターンを切り返す時に一瞬内足のイン側エッジを「グッ」と踏み込み、遠心力で身体を先行させてフロントエッジを雪面にかませ、あとは慣性力の為すがまま一気に切り返すなんて【小ワザ】が効く所なんかは四輪にはできない動作です。

どれも思い通りに乗れれば楽しいやね
しかしスキーやスノーボードのテクニックを解説した本では、ターンの基本を系統立てて科学的に分析し、誰にでも分かりやすく解説している本が(私が見た限りでは)多いように思うんですが、バイクでは未だに【リアステア】だの【トラクション】だのと、『怪しげな呪文みたいなモノ』がハバを利かせているように感じるのはどうしてなんでしょうね?

やっぱ使えるチカラが【位置エネルギー】のみで、相手にするのは地球の重力と自分の体重の生む【慣性力】だけというスキー・スノーボードと違い、色んな所がガチャガチャ動いて、右手で加速も減速も可能だけど重くてスピードも出るし、道理を知らずにハンドルにしがみついてても、バイクとタイヤの性能のおかげで取りあえずは走れてしまう・・・・・。
そんな所が「バイクの運転は難しい」とか思い込んじゃう原因なのか、それとも「上手く走りたい」と願う人の『上手い』のハードルが高いのか・・・・・。

閑話休題でした。
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